Scene 1 「日常のなかの”非日常”」

ちょっと休憩してお茶でも飲みましょう。お湯を沸かしてお茶を淹れます。ごく普通に、生活の一コマとして。では、これはどうでしょう。

  炭をおこして湯を沸かし、お茶を点てる。

あまり日常という感じがしませんね。お茶を飲むことはありふれた日常なのに、茶道というと非日常になります。日常から、少しだけ非日常にシフトしたのが茶の湯だと思います。でも生活の一コマであることに変わりません。生活文化のひとつとしての茶道があります。

Scene 2 「所作を問う」

客として茶席に入るときは扇子を持ちます。そして床(とこ)を拝見したり、亭主と挨拶をするときは膝前におきます。茶席での扇子は結界を表し、道具や亭主との節度ある距離感を保っています。

茶道では亭主も客も役割に応じた所作がありますが、それはいくら本を読んでもつかめません。実際に茶室という空間に身をおいて、形を取ってみて多くのことを得ます。流派によって所作に違いがありますが、それは所作に流派を支える意味(思想)を持たせているから。ひとつひとつの所作はきれいに見せる演舞ではありません。心を静かにして所作を思い量ります。

Scene 3 「日本人の教養」

外国人からみた日本はとても魅力的なようです。美しい自然、調った都市、そしてひとつの国として千年以上続き、連綿とつながる文化があります。日本文化の一つである茶道は外国人にとって興味深い一方、日本人なら誰でもやっている(できる)という誤解も深い。海外で茶道を披露することはなくても、自国の文化を理解することは教養として大切です。茶道ではモノ(道具)、コト(茶事・茶会)を通して多くの文化要素に触れることができるため、自然と教養が身につきます。


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